実に3人に1人はなんらかの不眠症状に悩んでいるといわれています。
睡眠不足は免疫力の低下や身体機能の低下、生活習慣病のリスク増加など様々な悪影響をもたらします。
わかっていても眠れない。今日はそんな悩みを解決する方法をご紹介します。
眠れない原因と対策
眠れない原因は一つではなく、様々な要素が複合的に作用していることがほとんどです。
自分に当てはまるものがあれば、その原因を取り除くことで不眠症が治るかもしれません。
ストレス
眠れない原因の一つはストレスです。
人間関係や仕事、学校、家庭など日常のストレスは尽きないものですが、ストレスは不眠の大きな原因です。
本来良い睡眠のためには「リラックスモード」の副交感神経が優位になっている必要がありますが、ストレスは交感神経を優位にしてしまいます。
交感神経は日中の「活動モード」の神経のため、優位になり続けると睡眠を阻害してしまうのです。解決できる内容であればよいですが、すぐに解決できないようであれば友人とのコミュニケーションや趣味の時間を取り、ストレスを軽減させましょう。
後述する呼吸法もストレスの緩和に有効です。
※ストレスと不眠に関してはこちらで詳しく記事にしています。ご参考ください。
ストレスで眠れない。そんな時はいっそ眠らないのも有効な手段
病気、けが、かゆみなど
けがやかゆみ、鼻づまりなど身体的な要因も睡眠に影響します。
回復すれば問題ありませんが、不眠の裏には病気が潜んでいることもあります。
特にうつ病は眠れない、眠りが浅いなど不眠の症状を伴うことが多く、適切に対処しなければ症状が悪化することもあるため早期の発見、治療が大切です。
また、頻尿などで夜間に何度もトイレに立つことも睡眠を妨げる要因になりますので、その場合は医療機関を受診されてください。
加齢
加齢とともに睡眠にも変化が現れます。30代の頃から次第に睡眠の加齢変化は始まり、高齢者になると睡眠時間の減少や入眠後の覚醒時間の増加、睡眠効率の低下が顕著になります。
つまり、年を取ると睡眠の質が低下するのです。高齢者の眠りが若いころに比べて短く、浅くなるのは睡眠障害ではありません。
ただし、眠れないと不安に感じることが不眠を引き起こす原因となるので、神経質にならずに規則正しい生活を送りましょう。
寝酒
日本には昔から眠れないときは寝酒をする文化があります。お酒に含まれるエタノールが中枢神経を抑制するため眠くなると言われています。
この眠くなる効果に期待して寝酒をするわけですが、おすすめしません。
寝酒は眠気を誘発するため寝入りの際は効果を発揮しますが、アルコールが分解され血中濃度が薄くなる際に興奮期が訪れ、中途覚醒が増えて睡眠の質を低下させてしまいます。
夜中に目が覚める原因にもなりますし、睡眠の質が悪いので寝たのに疲れが取れない状態になります。
さらに、寝酒が習慣化すること催眠作用に耐性ができ、量を増やさないと効果が出にくくなるためアルコール依存症になるリスクもあります。眠れないからといってお酒に頼るのはやめましょう。
カフェイン、タバコ
睡眠前のカフェイン、タバコは睡眠の質を低下させます。カフェインは眠気覚ましの効果があるのはよく知られていますね。
これはカフェインが眠気を引き起こす物質「アデノシン」の働きを妨害することで、眠気を覚ましているからです。タバコにもカフェインと似たような作用があります。
タバコに含まれるニコチンがアドレナリンの分泌を促し、血管が収縮して血圧、心拍数が上がり、興奮状態になるため寝付き気を悪くしてしまうのです。
そのため、睡眠の2~3時間前にはカフェイン、タバコは控えましょう。
パソコンやスマホの使用
パソコンやスマホを寝る前に見ると、ブルーライトが影響して眠れなくなるといったことを聞いたことはないでしょうか。
ブルーライトは日光に近い性質をもち、体内時計のような役割をしているメラトニンの分泌が抑制されます。メラトニンが抑えられることで体内時計が乱れ、脳がまだ眠る時間ではないと錯覚を起こしてしまうのです。
メラトニンは眠る1~2時間前から増加していきます。
そのため、睡眠時間の1時間前にはパソコンやスマホの使用を控えましょう。
生活リズムの乱れ
本来、人の体は朝に目が覚めて、夜に眠くなるという概日リズム(サーカディアンリズムといいます)を持っています。
現代社会では24時間営業のお店も多く、24時間いつでも活動しようと思えばできる社会になりました。
その結果、本来の形である「朝起きて夜眠る」生活の維持が保ちにくくなり、生活リズムが乱れが生じやすくなっています。
このリズムが崩れると朝起きられない、夜眠れないという不眠の症状につながります。
生活リズムを治すためにおすすめなのが、「朝カーテンを開けて太陽の光を浴びる」ことです。
朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、24時間という一定のリズムに調整されます。
また、日中の活動と睡眠は相補的な関係にあり、日中の活動が良好であれば夜間の睡眠の質も向上します。
規則正しい起床と日中活動的に過ごすことを意識すると睡眠物質の分泌も促進され、自然と眠りに付けるようになります。
眠れないときにおすすめの方法
寝室の環境を整える
眠るための環境を整えることは非常に重要です。
主に音、明るさ、温湿度を調整することで睡眠に適した寝室環境になります。
音:40dB以下
図書館や静かな住宅地程度の音です。
ただし、静かすぎると逆に緊張してしまうこともあります。騒音を防ぐことが難しい場合はいわゆるヒーリングBGM(川の流れや風、鳥や虫の声)などを流すのも効果的です。
明るさ:30ルクス以下
ほの暗く、何かが見える程度の明かりです。
光源が直接目に入らないように気を付けましょう。
温度・湿度:温度16℃~26℃ 湿度50~60%
使用している衣類、寝具によって調整する必要はありますが、睡眠の質を低下させない室温範囲の目安は上記といわれています。
遮光カーテンやエアコン、加湿器などを利用し、快適な室内環境を作りましょう。
リラックスする
心と身体がリラックスすれば副交感神経が優位になり、眠気が訪れます。
睡眠前にハーブティーを飲んだり軽いストレッチを行うなどもリラックス効果がありおすすめです。
お風呂で体温を上げる
人は眠りにつくとき、深部体温が低下します。眠りに入る少し前から交感神経系の活動が低下し、副交感神経が優位になります。それに伴い手足など末梢の血管が拡張して一時的に手足の温度が上昇します。
一時的に上昇した末梢からの放熱作用によって深部体温の低下が促進されるのです。これは赤ちゃんが眠たいとき手足が暖かくなる現象です。
つまり、眠る1~2時間前にお風呂に入り体温を上げることで、深部体温の低下を促進させることができ、入眠促進につながります。
おすすめは38~40℃のぬるめのお湯に20分程につかること。
身体のほてりが抜けてきたころに深部体温も下がり、眠気が訪れます。
熱すぎるお湯だとかえって目が覚めてしまうことがあるので気を付けましょう。
入眠儀式を作る
入眠儀式とは、眠る前の習慣のことです。毎晩睡眠前に決まった入眠儀式を行うことで、脳に「これから眠るんだよ」というサインを送ることができます。
たとえば、パジャマに着替えることも入眠儀式の一つです。
この他にはストレッチや瞑想、音楽やアロマなどもおすすめ。
毎日続けることで、入眠儀式を行うと脳に「これから寝る」という条件付けが行われ、自然と眠気がやってくるようになります。
*注意 すでに入眠儀式を行っていて眠れない場合、逆に入眠儀式が眠れないスイッチになっている可能性があります。
入眠儀式をしても眠れない生活が続いた結果、入眠儀式=眠れないという記憶が定着し目が冴えてしまうのです。
その場合は一度いつもの入眠儀式をやめ、脳の条件付けを解除することが必要です。
呼吸法
眠れないときにおすすめなのが腹式呼吸です。腹式呼吸には精神を安定させ、副交感神経を優位にする効果があります。
無意識ですが、睡眠中の呼吸は自然と腹式呼吸になっていることからも睡眠に適した呼吸法であることがわかりますね。
普段私たちが行っている呼吸は胸式呼吸といって、息をすると胸が動きます。
それとは違い、腹式呼吸とは名前の通りお腹で呼吸する方法です。
やり方ですが、
- 仰向けになって全身の力を抜く
- 肺の空気を全て吐く
- おへその下に空気をためるイメージで鼻からゆっくりと息を吸う
- お腹がへこむのを意識して口からゆっくりを息を吐く
- 3・4を繰り返す
これだけです。ゆっくりと呼吸を行うとより効果的です。このとき、呼吸の数を数えるのも効果的です。
あれこれ考えてしまうと脳が活性化してしまいますが、ゆっくりと数を数え、他の思考をストップすることで眠りやすくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。眠るために重要なことはなによりリラックスして、心穏やかでいることです。
眠れないからと焦ってしまうことは逆効果です。
そんな時は一度寝室から出て、再び眠気が来たら寝室に戻りましょう。 もし生活リズムの乱れや睡眠を邪魔する間違った習慣が原因であれば改善し、快適な眠りを手に入れてください。
ルナールではより快適に、より良い眠りができる寝具作りを日頃より心がけております。
寝具についてのご意見、ご要望、ご質問があればお気軽にお問い合わせください。
人生の1/3が睡眠の時間と言われています。
その大切な睡眠のお手伝いが少しでもできればと思っております。